「布団に入ってもなかなか寝つけない」
「眠りについても途中で何度も目が覚める」
「起床時間の2時間以上前に目が覚めて寝れなくなる」
など、睡眠に関する悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
睡眠障害の中で最も多いのが、寝つきが悪かったり、朝までぐっすり眠ることができない不眠症です。
20~30代の若い世代にも症状がみられますが、不眠症は加齢とともに患者数が増える傾向にあります。
不眠症は放置すると慢性化し、適切な治療を受けなければ改善が難しい病気です。ひと昔前までは、不眠症治療といえば精神科や心療内科を受診して、長期的に通院するのが主流でした。
最近では、オンラインで不眠症治療に対応しているクリニックが増えてきています。
当記事では、全国どこからでも受診できる、オンライン診療に対応したおすすめのクリニックを紹介しています。また、不眠症の種類や特徴、原因、対処法についても詳しく解説しています。
不眠症にお悩みの方で、通院する時間がない・対面診療に抵抗があるという人は、ぜひ参考にしてみてください。
不眠症・睡眠障害とはどんな症状?原因と治療方法について解説
睡眠障害とは、睡眠に関するさまざまな病気の総称で、不眠症・過眠症・睡眠時随伴症などがあります。睡眠障害の中で最も多いのが不眠症です。
不眠症とは、寝つきが悪い・朝早く目が覚める・眠りが浅くしっかり寝た感じがしない等の症状が続き、その影響で日中の眠気や疲れなどの体調不良を招く状態を指します。
睡眠には個人差があり、7時間以上寝ても足りないと感じる人もいれば、3~4時間の睡眠で満たされる人もいます。そのため、睡眠時間だけでは不眠症かどうか判断できません。
不眠症を診断する基準は、患者自身が「快眠できている」と自覚できているかどうかです。よく眠れない状態が続き、日常生活に慢性的な支障を来たす場合は、不眠症の可能性があります。
不眠症・睡眠障害の原因
眠れない原因は人によってさまざまですが、主な原因として考えられるのは、ストレスや生活習慣の乱れ・睡眠時の環境によるものです。
眠りが浅い日や、なかなか寝付けない日が続くと不眠症が心配されます。また、しっかり寝たつもりでも疲れが取れず、寝足りないと感じる場合には過眠症が疑われることも。
睡眠障害の中で最も多い不眠症の原因について詳しくみていきましょう。
【ストレス】
ストレスも不眠の原因になります。睡眠には、体が休んでいる状態でも脳が働いている「レム睡眠(浅い眠り)」と、脳も体も休んでいる「ノンレム睡眠(深い眠り)」があります。
精神的なストレスを抱えている人はレム睡眠が増え、肉体的なストレスを抱えている人はノンレム睡眠が増える傾向にあります。
仕事や人間関係に対する不安や緊張など、精神的ストレスを抱えている場合は、レム睡眠が増えることで睡眠の質が低下します。
質の低い睡眠を繰り返していると、疲労が蓄積されて慢性疲労につながるケースもあるため注意が必要です。
【生活習慣の乱れ】
不規則な食生活や夜更かしを繰り返していると、体内時計が乱れて不眠を引き起こすことがあります。
インターネットやスマホ、LEDの普及、昼夜関係なく働き続ける24時間社会の影響で、昼と夜のメリハリがない生活を送る人が増えています。
体内時計の乱れを放置すると、生活習慣の乱れが慢性化する可能性も。眠れなくなる状況が続くと、不眠に対する不安やストレスも重なり、更に不眠が悪化するというケースも考えられます。
【寝る前の食事】
寝る前に食事するとお腹が満たされて眠くなりますが、睡眠の質は低下します。
満腹になると催眠ホルモンと呼ばれるレプチンが分泌され、眠気を催します。ただし、レプチンは食べたものを消化するために、胃腸を忙しく働かせます。その状態では、脳や体は休まることなく働き続けるため、眠りが浅くなります。
【アルコールやカフェインの摂取】
不眠で悩んだときにお酒に頼ってしまう人もいるのではないでしょうか。少量のアルコールで寝付きがよくなるのは事実です。ただし、アルコールは睡眠の質を低下させてしまいます。
高用量のアルコールを摂取すると、レム睡眠が減少して深い眠りが多くなりますが、睡眠の後半に交感神経が活発になり、変な時間に目が覚めてしまいます。
コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインも、睡眠の妨げになります。カフェインを摂取すると交感神経が刺激され、脳が緊張状態になります。
また、カフェインによる利尿作用で睡眠が妨害されることも。カフェインは摂取から1時間後にピークを迎え、3~4時間効果が持続します。そのため就寝の4時間前のカフェイン摂取は避けるようにしましょう。
【心の病気】
心の病気が原因で不眠症を引き起こしている場合もあります。うつ病などの精神疾患を患っている場合、不眠症の症状が出るケースも珍しくありません。また、うつ病の治療薬の副作用で不眠になってしまうことも。
自覚しないまま慢性的なうつ状態になると、うつの症状が重症化するリスクもあります。異変を感じたら、早めに心療内科や精神科を受診しましょう。
【睡眠の病気】
睡眠の病気が原因で不眠症になることもあります。
睡眠の悩みといえば、寝付けない状態を訴える人が多いですが、十分に睡眠を摂っているのに日中眠くて仕方ないという人もいます。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まる病気です。呼吸が安定しないため、浅い眠りが増えたり、中途覚醒を引き起こします。
その他に、むずむず脚症候群といって、寝る前の足の不快感でなかなか寝付けないこともあります。
【女性ホルモンの影響】
更年期の不眠の原因として、女性ホルモンの分泌量低下による自律神経の乱れが考えられます。
更年期になると卵巣機能が低下し、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が激減します。
女性ホルモンの乱れは、自律神経の司令塔でもある視床下部にも影響します。自律神経のコントロールが難しくなると、ホットフラッシュと呼ばれる火照りや発汗の症状が起こることも。
夜間にホットフラッシュの症状が出ると、熟睡できなかったり、動悸や不安が襲ってきて精神的にツラい状況を引き起こすことも考えられます。
更年期だけではなく、女性は生理周期によって分泌される女性ホルモンの影響で、睡眠の質が低下することも。
排卵後の黄体期に入るとプロゲステロンの分泌が盛んになり、基礎体温が上がります。黄体期から次の生理が始まるまでの期間は、プロゲステロンの影響で眠りが浅くなったり、眠気が襲ってくることがあります。
【加齢による影響】
年を取ると若い頃より眠れなくなったと感じる人が増えます。60歳以降になると、体内時計が乱れ、早い時間に眠くなり、早朝に目が覚めることが多くなります。
加齢で運動量が低下することや、定年退職して昼寝する機会が増えることも眠れない原因になります。
その他に病気が原因で眠りが浅くなることも。また、治療薬の影響で熟睡できないこともあります。
参考サイト : 睡眠障害(すいみんしょうがい)
不眠症の種類と症状
不眠にもさまざまな種類と症状があります。寝付きが悪い人もいれば、途中で何度も目が覚める人も。また、中途半端な時間に目が覚めてしまい、再び眠れないという症状もあります。
睡眠不足で疲れが抜けきらないまま、日中に眠気が襲ってくるなど、日常生活に支障を来たすことも。
何かしらの病気が原因で不眠を引き起こすこともあるため、まずは症状を自覚したうえで適切に対処する必要があります。
不眠症は以下の4タイプに分けられます。
【入眠障害】
布団に入ってもなかなか寝付けず、眠りにつくまでに30分~1時間以上かかり、それを苦痛に感じる状態を入眠障害といいます。
不眠症でもっとも多い症状で、不安や緊張が強いときに起こりやすい傾向にあります。
【中途覚醒】
一旦寝付いたものの、夜中に目が覚めてしまい、再び眠れなくなる状態を中途覚醒といいます。
途中で目が覚めると、眠りが浅かったり、ぐっすり寝た気がせず、昼間に眠気が襲ってくる症状が問題になります。
中途覚醒の主な原因はストレスですが、睡眠覚醒リズムの不調や交代勤務など、ライフスタイルが影響することもあります。
【早朝覚醒】
早朝覚醒とは、予定していた起床時間より2時間以上早く目覚めてしまい、再び眠りにつけない症状です。
早朝覚醒の主な原因は生活習慣の乱れや心的ストレスです。その他に、うつ病や加齢、更年期障害が影響することもあります。
早朝覚醒を避けるためには、規則正しい生活を心がけることが大切です。就寝前の水分補給を控え、パソコンやスマホを見ないようにしましょう。また、普段より就寝時間を遅らせてみるのもひとつの方法です。
【熟眠障害】
熟眠障害とは、しっかり寝ているはずなのに熟睡したという満足感がなく、目覚めたときに睡眠不足を感じる状態です。
睡眠が中断されたり、睡眠が浅い場合に起こる症状で、午前中に日光をしっかり浴びることで睡眠の質が高まり、症状が改善されるケースも。寝る数時間前には光の刺激を避けて、パソコンやスマホの使用も控えましょう。
不眠症以外の睡眠障害の種類と症状
睡眠障害の代表的な症状が不眠症ですが、それ以外にもさまざまな症状があります。
ここからは不眠症以外の睡眠障害の種類について詳しく解説します。
【過眠症】
夜しっかり睡眠をとっているにも関わらず、日中に強い眠気が起こる症状です。
過眠症には、ナルコレプシー・突発性過眠症・反復性過眠症などの種類があり、原因としては脳の覚醒維持機能の不調や、夜間の睡眠障害の弊害が考えられます。
【概日リズム睡眠障害】
体内時計の乱れで、必要なときに眠れない症状です。
日勤や夜勤を交互に繰り返すような職業で、体内時計と昼夜のリズムが合わず、眠れなくなってしまうこともあります。
【睡眠呼吸障害】
睡眠呼吸障害の代表的な症状として、寝ている間に何度も呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」があります。
1時間に5回以上の無呼吸が起こったり、呼吸量が正常時の半分以下の低呼吸になることが診断基準になります。
本人は寝ているため自覚がないことが多く、家族など周りの人からの指摘で気付くことが多い病気です。
空気の通り道の上気道が閉塞することが原因で、首が短め・舌が大きい・顎が小さい・肥満の人がなりやすい傾向にあります。
【むずむず脚症候群】
布団に入ると脚がむずむずした感じや、かゆみや痛みなどの不快感があり、眠りにつくことができない症状です。
体勢を変えたり、身体を動かすことで改善しますが、安静にすると再発して眠れなくなることがあります。
【周期性四肢運動障害】
寝ているときに手や足がぴくっと動いて何度も目が覚めて、眠りが浅くなってしまう症状です。
睡眠中に周期的に発症するため、頻繁に脳波上の覚醒反応が起こり、不眠に陥ったり、その反動で日中に過眠が起こる病気です。
【睡眠時随伴症】
睡眠時随伴症とは、睡眠中に起きるねぼけ行動の総称で、代表的なものに以下の4種類の症状があります。
【睡眠時遊行症】
夢遊病とも呼ばれる症状で、眠りが深い状態でも手足を動かしたり、歩き回る行動をとります。
【睡眠時驚愕症】
夜驚症とも呼ばれる症状で、主に小児から学童期の子どもに多くみられます。
急に泣き声や悲鳴をあげたり、突然目を見開いたり起き上がったり、パニックを起こす症状です。
【レム睡眠行動障害】
睡眠中に見た夢と同じ行動をとってしまう症状です。健康な状態では、レム睡眠中には骨格筋が弛緩して動きません。
レム睡眠行動障害では、この抑制が効かないため、夢体験がそのまま行動になって現れてしまいます。
【悪夢】
睡眠中にこわい夢を見た影響で、憂鬱な日が続いたり、悪夢がこわくて眠れない症状がみられます。
起床後も悪夢の内容をしっかり記憶しているのが特徴で、日常生活に支障を来たすこともあります。
不眠症になりやすい人の特徴
不眠症は誰でもなり得る病気ですが、神経質で生真面目な性格の人は、ストレスを感じやすく不眠症になりやすい傾向にあります。
以下のような人は不眠症になりやすいと言われています。
性格的な特徴 | ・心配しやすい ・不安になりやすい ・責任感が強い ・完璧主義である |
環境的な特徴 | ・日常生活で緊張状態が続きストレスを抱えることが多い ・親族に睡眠障害の人がいる ・騒音など睡眠を妨害する環境下で暮らしている |
男性に比べると女性の方が不眠症になりやすい傾向にあります。なぜかというと、女性は生理や妊娠、閉経、更年期障害などの影響でホルモンバランスが乱れやすく、その影響で男性より自律神経が乱れるリスクが高くなるからです。
また、不眠症には遺伝的な要素もあるため、両親など親族に睡眠障害の人がいる場合は、遺伝する可能性もあります。
眠れないときの対処法
眠れない日々が続く場合は、その原因を探り、症状に合わせて対処することが大切です。
ここからは自分でできる眠れないときの対処法を紹介します。
・無理に寝ようとしない
布団に入ったのに眠れる気配がない場合は、一旦布団から出て起き上がってみましょう。
早く寝なければと思うほど、余計に眠れなくなり、寝ついたとしても熟睡した感じを得られなくなることもあります。
適切な睡眠時間には個人差がありますが、日中に眠気を感じることがなければ、短時間でも睡眠が足りているということです。もし昼間に眠気が襲ってきた場合、可能であれば10~15分程度の仮眠をとることでスッキリします。
・体内時計をリセットする
人間の体は日中に活動し、夜は休息するようにできています。体内時計が狂っている場合は、1日の始まりに太陽の光を浴びることでリセットされます。
体内時計が正常に戻ると、睡眠ホルモンのメラトニンが十分に分泌され、夜の寝つきもよくなり、睡眠の質も上がるでしょう。
・運動する習慣を身につける
国内外の研究によると、運動する習慣がある人は不眠症になりにくいことが報告されています。
1回だけの単発的な運動ではなく、習慣化することが大切です。激しい運動は睡眠を妨げる原因になるため、負荷の少ないウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
就寝の3時間前までに運動を終えられるようにすると、スムーズに入眠できるでしょう。
・ぬるめのお風呂に浸かる
就寝の1~2時間前に、38℃程度のぬるめのお湯で入浴しましょう。
30分程度の入浴で副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態になります。入浴後、体温が下がるタイミングで眠くなるため、寝つきがよくなります。
・就寝前のリラクゼーションを取り入れる
就寝前に副交感神経を優位にするために、リラクゼーションを取り入れるのも有効です。
ストレッチやヨガ・瞑想・アロマなど、自分に合ったリラクゼーションを見つけて、心身ともにリラックスし、一日の疲れを癒しましょう。
参考サイト : 睡眠障害の原因と対策
不眠症の治療方法
不眠症は原因によって治療法が異なりますが、基本的には生活習慣の改善と薬物療法が中心になります。
不眠の原因となる心の病気や身体的な疾患があれば、それらを治療することが大切です。
また、不適切な睡眠環境が不眠の原因であれば、落ち着いて眠れる環境に改善する必要があります。
【非薬物療法】
不眠症になったら、まずは生活習慣を見直してみましょう。
ただし、不眠以外にうつ症状など、心の病気を伴う場合には、心療内科や精神科を受診する必要があります。
不眠症状だけなら、以下の対処法を試してみましょう。
- 日中に眠気で困らない程度の睡眠時間を確保する
- 刺激物を避けて寝る前のリラックス法を見つける
- 就寝時間にこだわらず眠くなったら布団に入る
- 毎朝同じ時間に起床する
- 目が覚めたら日光を浴びる
- 規則正しい食事と運動習慣を取り入れる
- 15時前に10~15分程度の仮眠をとる
- 眠りが浅い場合は遅寝・早起きにする
- 睡眠薬代わりに寝酒を飲まない
【薬物療法】
薬物療法では、一般的に睡眠薬を使用します。睡眠薬を飲むことで不安や緊張が緩和され、入眠しやすくなります。
薬物療法で大切なのは、適切な診断です。眠れない病気の種類はたくさんあり、原因がわからないまま睡眠薬を服用していると、後になって弊害が起こることも。
医療機関を受診する際には、不眠の症状や生活習慣について、ありのまま正確に伝えましょう。
服用していた睡眠薬を自己判断で中止すると、リバンドで不眠が再発することもあります。薬を止める場合は医師の指導のもと、段階を踏むようにしましょう。
参考サイト : 睡眠薬の適正な使用と休薬のための療療ガイドライン ー出口を⾒据えた不眠医療マニュアルー
睡眠導入剤の使い方と注意点
睡眠導入剤は、必ず用法用量を守って服用することが大切です。正しい方法で服用しなければ、かえって不眠の症状が長引いたり悪化したりすることも。また、薬に頼らなければ眠れなくなる可能性もあります。
睡眠導入剤は医師の診察を受けて処方してもらうものです。他人からもらう行為は法律で禁止されています。
心療内科や精神科の医師は薬の使い方に精通しているプロです。できるだけ副作用や依存症などのトラブルが起こらないように症状に合わせて薬を処方します。不眠に悩む人は医療機関で気軽に相談してみましょう。
・正しい服用方法を守る
睡眠導入剤を服用するにあたって最も重要なのは、医師に指示された服用方法を守ることです。自己流で服用すると、症状を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。
また、服用を止めるタイミングも医師の指示を仰ぎましょう。突然、服用を止めてしまうと不眠の症状が再発することもあります。
他の薬剤も同様ですが、服用前後の飲酒は避けましょう。また、眠くならないからといって、服用する量を増やすのもNGです。
・主な副作用について知っておく
睡眠導入剤の主な副作用には以下のようなものが挙げられます。
- 日中の眠気
- ふらつき
- めまい
- 頭痛
- 転倒
- 健忘
- 悪夢
- イライラ
- 怒りっぽくなる
- せん妄
- 睡眠時異常行動
ドラッグストアなどで市販されている睡眠導入剤もあります。正確には睡眠導入剤ではなく、睡眠改善薬として販売されている商品です。
市販品も動悸やめまいなどの副作用のリスクがあるため、自己判断で購入せず医師に相談することをおすすめします。
参考サイト : 睡眠導入剤 – 日本医薬情報センタ−
不眠症治療の流れや治療期間
不眠症の可能性があると自分でわかっていながら、治療に対する不安から医療機関を受診できない人もいるでしょう。
ここからは不眠症治療の流れや治療期間について詳しく解説します。治療の流れがわかれば不安も解消され、前向きに治療を始められるでしょう。
不眠症治療では、まずはじめに医師に不眠の症状や日頃の生活習慣について正確に伝えます。それらの情報から医師が不眠の原因を特定し、改善するための指導を行います。
症状によって治療法は異なりますが、非薬物治療からスタートすることがほとんどです。
非薬物治療で症状が改善されない場合や、既に不眠症が慢性化してしまっている場合には薬を服用します。
医師が不眠の原因や症状に合わせて、体へ負担がかからないように、薬の種類や量を調整するため安心して服用してください。
不眠治療に使われる睡眠薬の中には依存性が高いものもあり、長期間の服用は推奨されていません。
生活習慣の改善や薬の服用で不眠の症状が軽くなった場合は、薬の量を減らしていきます。
自己判断で急に服用を止めたり、量を増やすのは厳禁です。薬を止めるときにも、必ず医師の診察を受け、処方された薬の量を守りましょう。
薬の服用なしでも質の高い睡眠を維持できるかどうか、医師が判断します。
不眠症が改善され、安定した睡眠を維持できることが認められたら治療は終了となります。ただし、治療が終わったあとも生活習慣の乱れがないように注意が必要です。
引き続き生活習慣や睡眠環境に気を配ることが、不眠症再発の防止につながります。
不眠症の症状には個人差があり、精神的な影響も受けるため、治療期間は人それぞれです。1ヶ月以内の短期間で改善する場合もあれば、1年以上かけてやっと改善されることも。
治療が長引いたからといって過度に心配する必要はありません。不眠症を治すという強い気持ちをもって治療に専念してください。
【オンライン診療対応】不眠症・睡眠障害治療のおすすめクリニック
不眠症の治療は精神科や心療内科を受診しなくても、オンライン診療でも治療できます。
ここからは不眠症のオンライン診療に対応したおすすめのクリニックを紹介します。
DMMオンラインクリニックは診察料0円で1日96円〜治療を開始できる
DMMオンラインクリニックはオンライン診療に特化したクリニックで、初診から通院不要。スマホやパソコンから受診できます。
診察料は完全無料。不眠症の治療にかかるのは薬代と薬の配送料550円のみ。治療薬は1日96円から処方してもらえます。
専門のクリニックと同様の治療薬を取り扱っており、最短当日で指定した場所へ配送。最寄りのコンビニで受け取ることもできます。らくらく定期便を利用すれば、通常価格より割安で治療を継続できるからお得です。
DMMオンラインクリニックで治療すると独自のDMMポイントが貯まる仕組みになっており、治療費にも充当できます。通院する時間が取れない人や対面診療が苦手な人には、DMMオンラインクリニックがおすすめです。
プラン | 治療薬 | 1週間分の料金 |
---|---|---|
入眠改善プラン | 加味帰脾湯(2.5g)/14包 + 以下のいずれか1つ ・ルネスタ ジェネリック(2mg)/7錠 ・デエビゴ(5mg)/7錠 | 3,630円 |
熟睡プラン | 酸棗仁湯(2.5g)/14包 + 以下のいずれか1つ ・リスミー(2mg)/7錠 ・デエビゴ(5mg)/7錠 | 2,750円 |
単剤処方 | 以下のいずれか1つ ・ルネスタ ジェネリック(2mg)/7錠 ・リスミー(2mg)/7錠 | 2,750円 |
らくらく定期便 | ルネスタ ジェネリック(2mg)/30錠 リスミー(2mg)/30錠 デエビゴ(5mg)/30錠 ラメルテオン錠(8mg)/30錠 加味帰脾湯(2.5g)/60包 酸棗仁湯(2.5g)/60包 | 3,168円 3,168円 6,358円 3,168円 6,358円 3,927円 |
ネムリノミカタは完全予約制で待ち時間なしで診察を受けられる
ネムリノミカタはスマホだけで診察を受けられる睡眠専門のオンラインクリニックです。初診からオンライン診療に対応。予約から会計まで、全てスマホで完結します。
19時~22時までの夜間診療も行っているため、日中は仕事で時間が取れない人でも無理なく受診できるでしょう。診察は完全予約制で待ち時間なし。診察にかかる時間は10分程度です。
ネムリのミカタでは、睡眠薬に頼る治療ではなく、根本から睡眠不足を解消。生活の質を上げることをコンセプトとしています。生活習慣の見直しやサプリ・漢方を併用することで、体への負担が少ない治療を目指しています。
薬とサプリメントを同時に購入する場合は送料無料。薬のみ処方する場合は500円の配送料がかかります。
初診料 | 1,000円程度 |
再診料 | 500円程度 |
睡眠薬7日分 | 300円程度 |
サプリメント30日分 | 3,000円程度 |
朝がおクリニックは診察予約から決済まで全てLINEで完結
朝がおクリニックではLINEによるオンライン診療に対応しています。スマホがあれば自宅から診察が可能。予約から決済まで全てLINEで完結できるお手軽さが魅力です。
睡眠医学に精通した日本睡眠学会専門医による診察が可能。精密検査が必要な場合は、睡眠脳波検査も行っています。
オンライン診療は原則として月に1回の利用となり、連続2回まで。3回に1回は来院が必要になります。また、初診では睡眠薬の処方が禁止されているなど、処方に制限があるため、初診は対面での診療が必要になることも。
オンラインで処方された治療薬は、自宅など指定した住所への配送が可能。また、処方箋を郵送してもらい、行きつけの薬局で薬を受け取ることもできます。
朝がおクリニックの決済方法は、クレジットカードもしくはLINE Payから選択できます。オンライン診療では、診察料と薬代のほか、通信料1,900円がかかります。
診察代(通信料含む) | 1,900円~ |
治療費 | 取り扱いの治療薬や料金は要問合せ |
ウチカラクリニックは休日や夜間診療も対応
ウチカラクリニックは初診からオンライン診療に対応したクリニックです。予約から診察、会計まで全てオンラインで完結。
完全予約制で待ち時間なく隙間時間に受診できるため、通院の時間が取れない人でも安心です。夜間や休日の診療にも対応しており、平日や日中に受診できない人でも無理なく治療できるでしょう。
ウチカラクリニックはYouTubeで予防医学チャンネルと連携しており、病気や予防法に関する正しい医療知識を配信。オンラインでも安心して治療を受けられるように、専門医による診療体制を構築しています。
必要な場合には、対面診療や精密検査も行っているから安心です。診察料や薬代の詳細については公式サイトに記載がないため、直接クリニックへ問い合わせてください。
診察料や薬代 | クリニックへ要問合せ |
支払い方法 | クレジットカード コンビニ後払い |
おりたメンタルクリニックは専用アプリのダウンロード不要で診察できる
おりたメンタルクリニックでは、来院が難しい人のために初診からオンライン診療に対応しています。専用アプリのダウンロードは不要。スマホがあれば予約から診察まで完結します。
不眠症治療に使われる睡眠薬には依存性が高いものもありますが、おりたメンタルクリニックで取り扱っているのは、依存性が低いデエビゴ(レンボレキサント)・ルネスタ(エスゾピクロン)・リスミー(リルマザホン)の3種類。
処方された治療薬は自宅まで配送してもらえます。支払い方法はクレジットカード決済のみ。また、不眠症治療のオンライン診療は公的医療保険が適用されない自由診療となるため、治療費は自費になります。
治療薬 | 料金 |
---|---|
デエビゴ(レンボレキサント) | 10日分6,380円 30日分8,580円 |
ルネスタ(エスゾピクロン) | 10日分5,720円 30日分7,150円 |
リスミー(リルマザホン) | 10日分6,050円 30日分7,480円 |
ココクリニックはWEB問診で診察がスムーズに受けられる
ココクリニックでは、過去に受診したことがない人でも、初診からオンライン診療を受けられます。予約後にWEB問診があるため、オンラインでの診察がスムーズに進められます。
不眠症は珍しい疾患ではなく、誰もがなり得る病気です。うつ病などの精神疾患が原因の場合もあり、睡眠薬の処方だけでは解決できないことも。ココクリニックでは不眠の根本的な原因を探り、治療を進めていきます。
診察から会計まで全てオンラインで完結。自宅に処方箋を送ってもらい、近くの調剤薬局で治療薬を受け取ることができます。
自宅に処方箋を送る場合 | 550円 |
調剤薬局と連携する場合 | 770円 |
ファストドクターは保険適用で診察を受けられる
ファストドクターは16万件のオンライン診療実績のあるクリニックです。休日も夜間も365日対応しているため、仕事が忙しくて時間が作れない人でも安心。
不眠症の治療は保険診療になるため、受診の際には健康保険証を手元に用意しておきましょう。予約はたったの1分で完了。最短5分で診察が開始されるスピーディーさも魅力です。
ビデオツールを使った診察で、治療薬は当日発送となり、最短で翌日には手元に届きます。診察にかかる時間は初診で20~30分程度。再診の場合は10分程度となっています。
予約から診察、薬の処方まで全てオンラインで完結するのが魅力。不眠症など、睡眠障害に関する悩み相談だけでもOKです。まずは気軽にファストドクターを受診してみましょう。
初診 | 18:00まで 2,100円 18:00~22:00 3,000円 22:00~ 4,100円 |
再診 | 一律3,750円 |
麹町皮ふ科・形成外科クリニックは自宅で睡眠検査ができる
麹町皮ふ科・形成外科クリニックでは、LINEでオンライン予約が可能。眠れない悩みを抱える人を対象に、自宅でできる睡眠検査を行っています。
睡眠時の脳波を専門の計測器を用いてAI解析し、睡眠の質を分析。通常なら一泊入院が必要な睡眠検査ですが、麹町皮ふ科・形成外科クリニックでは、自宅に送付された検査キットを使ってセルフ検査できます。
まずはオンラインによるカウンセリングを実施し、睡眠状況など現状をヒアリング。その後は、送られてきた機械を装着するだけで夜間の睡眠状況を検査できます。
検査結果に応じて、まずは睡眠薬を使わない睡眠改善法を提案。現在、睡眠薬を使用している人で減薬したい人の相談も受け付けています。睡眠薬の使用を止めたい人も気軽に受診してみましょう。
2晩の睡眠検査+結果説明 | 33,000円 |
春日駅前あべファミリークリニックは不眠対処法の指導がある
春日駅前あべファミリークリニックでは、初診時は来院の必要がありますが、2回目以降は不眠症治療のオンライン診療を行っています。
不眠症の治療は保険診療になりますが、オンラインの場合は治療費のほか、システム利用料として別途費用(500~1,000円)がかかります。
オンライン診療のメリットは移動時間や待ち時間がないこと。スマホ1台あればどこからでも受診でき、治療薬や処方箋が自宅に配送されます。
春日駅前あべファミリークリニックでは、日常生活でできる不眠対処法の指導をはじめ、必要であれば薬物治療も行っています。不眠の原因や症状に応じて、適切な薬を処方してもらえます。
寝つきが悪い・眠っても途中で何度も目が覚める・熟睡できない等の睡眠の悩みがあれば、気軽に受診してみましょう。
システム利用料 | 500~1,000円 |
診察代・薬代 | クリニックへ要問合せ |
ふくおか睡眠クリニックはCPAP治療もオンライン対応
ふくおか睡眠クリニックでは、オンライン診療と服薬指導を兼ねたアプリ「CLINICS」による診療を行っています。
完全予約制で待ち時間ゼロ。クリニックで他の人と顔を合わせることなく、自宅から受診できます。会計もキャッスレスでスマホ1台あれば完結できるお手軽さが魅力。
薬は自宅へ配送してもらえるため、薬局にも足を運ぶ必要がありません。お薬手帳の代わりにアプリで薬の管理ができるのも嬉しいポイント。
睡眠障害の治療では、全身の状態や睡眠状況を把握し、場合によっては対面での診察や検査が必要になります。
睡眠時無呼吸症候群のCPAP治療は、長期に渡る治療になります。CPAPの利用状態をWEBでモニターして、オンラインで定期的に診察を受けることもできます。ただし、病状の変化によっては、対面での診察が必要になるケースもあることを覚えておきましょう。
治療費については公式サイトに記載がないため、クリニックへ直接問い合わせてみてください。
青山メンタルクリニックはオンラインで全国どこからでも受診が可能
青山メンタルクリニックでは、オンラインによる遠隔診療に対応しています。スマホやパソコン、タブレット端末があれば、自宅や勤務先などどこからでも受診できるのが魅力。
オンライン診療を受けるためには、専用アプリの無料ダウンロードが必要です。診察もアプリを利用したビデオチャットで行われます。治療薬は希望する調剤薬局へ処方箋をFAXすることで受け取りが可能。また、自宅に処方箋を郵送してもらうこともできます。
仕事や育児、介護などで通院が難しい人・近くに十分な治療を受けられる医療機関がない人は、青山メンタルクリニックのオンライン診療を利用してみてください。
再診料と処方箋料など (処方内容や負担割合・時間帯によって異なる) | 約220~1,040円 |
遠隔診療料(通信設備やFAX・郵送代含む) | 4,400円 |
Dクリニック東京ウェルネスは検査結果に応じてCPAP治療が受けられる
Dクリニック東京ウェルネスでは、いびき・睡眠時無呼吸症候群の診療を行っています。公式サイトでは、簡単なSAS(睡眠時無呼吸症候群)チェックができるようになっているため、受診する前のセルフチェックとして、気軽に利用してみてください。
Dクリニック東京ウェルネスでは、不眠症のオンライン診療にも対応しています。医師が日頃の睡眠の悩みに関する問診を行い、自宅で実施できる簡易検査キットを郵送してもらえます。
オンライン診療の場合は、健康診断の結果・血液検査の結果・お薬手帳の写真のいずれか1点が必須となるため、事前に用意しておきましょう。
自宅に検査キットが届いたら、2日間にわたって睡眠時の無呼吸状態を検査。検査終了後、1~2週間で検査結果がわかります。
検査結果の説明もオンラインで対応。説明のみなら1,000円程度で済みます。無呼吸の状態が保険適用の基準に達していた場合には、CPAPという専用の医療機器を用いた治療を受けられます。
治療費については公式サイトに記載がないため、直接クリニックへ問い合わせてみてください。
不眠症・睡眠障害に関するよくある質問
- 不眠症の治療は保険適用になる?
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不眠症の治療は保険適用になります。
オンライン診療でも対面診療でも、健康保険証を提示できるように準備しておきましょう。保険証を提示できなければ、診察や薬代がすべて自費扱いになるため注意してください。
- 不眠症治療の副作用は?
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不眠症治療で使われる睡眠薬には副作用のリスクがあります。主な副作用として、注意力や集中力の低下、眠気や頭痛などが挙げられます。
ただし最近の睡眠薬は、ひと昔前に比べて進化しており、安全性が高くなっています。そのため、医師の指示を守って服用していれば、副作用が起こることはほとんどありません。
睡眠薬は依存性が高い薬です。用法用量を守らず服用していると、副作用が起こるだけではなく、不眠症が悪化するリスクもあるため注意してください。
- 睡眠薬が効かないのはなぜ?
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睡眠薬が効かない場合は、うつ病・睡眠時無呼吸症候群・レストレスレッグス症候群など、他の病気を見落としている可能性も考えられます。
他の病気がある場合は、その病気を治療するための薬の種類や量に変更する必要があります。
- 睡眠薬と睡眠導入剤の違いは?
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睡眠薬と睡眠導入剤には本質的な違いはありません。
睡眠導入剤は、睡眠薬の中でも作用時間が短いタイプの薬剤の総称です。
- 睡眠導入剤は毎日飲んでも大丈夫?
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睡眠導入剤は、適正な用法・用量を守れば安全に服用できます。
現在の不眠症治療で用いられるベンゾジアゼピン系睡眠薬は、用法・用量を守れば重篤な副作用が起こることはありません。長期的に服用しても、量が増えるなどの依存性が少ない薬剤です。
- 不眠症は何科を受診すればいい?
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症状が不眠のみの場合は、一般の内科を受診しましょう。
不眠のほか、気分の落ち込みや精神的なストレスがある場合は精神科を、心の病気で体にも症状がある場合は心療内科を受診しましょう。
睡眠時無呼吸症候群など、呼吸の症状がある場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
- 睡眠導入剤はどれくらいで眠くなる?
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睡眠導入剤は服用後20~30分で眠くなり始めます。そのため寝る時間の30分くらい前に飲むのがよいでしょう。
現在使われている睡眠導入剤のほとんどが、ベンゾジアゼピン系の薬剤です。ベンゾジアゼピン系の薬剤は、医師の指導のもと正しく服用すれば、依存したり、薬が効きづらくなることはほとんどありません。
- 睡眠導入剤は個人輸入できる?
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睡眠導入剤はオオサカ堂など個人輸入の通販サイトでも購入できます。ただし、海外で流通している医薬品には、偽物や粗悪品もたくさん出回っています。
本来、睡眠薬は医師による処方が必要です。健康被害のリスクを避けるためにも、医療機関を受診して、医師の診察のもとで服用してください。
- アルコールと睡眠薬を併用するとどうなる?
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アルコールと睡眠薬を併用すると、肝臓の代謝に障害が起こり、酩酊状態になりやすいといえます。また、お互いの作用が増強され、重篤な副作用が起こるリスクも。
特に注意したいのが記憶障害で、服用した後の記憶が全くなくなってしまうこともあります。その他に、イライラを感じたり、怒りっぽくなることもあります。
お酒と薬を一緒に飲むことは危険ですから、絶対に避けましょう。
- 睡眠薬と一緒に飲んではいけない薬は?
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睡眠薬と一緒に飲んではいけないのは以下のような薬です。
- 睡眠改善薬
- かぜ薬
- 解熱鎮痛薬
- 鎮咳去痰薬
- 抗ヒスタミン剤を含有する内服薬(鼻炎用内服薬、乗物酔い薬、アレルギー用薬)
これらの薬は、睡眠薬と一部成分が重なっていることから、お互いの作用が増強されたり、口の渇きなどの副作用が起こる可能性があります。